2008年7月6日日曜日

世界最安航空、来春にも日本就航



世界最安航空、来春にも日本就航 「運賃、大手の半額」2008年7月6日22時51分


日本に就航を目指すエアアジアXの機体=同社提供日本就航を目指すエアアジアXのセンティル・バラン氏=東京都内で
 世界で最も安い運賃で知られる東南アジア最大の格安航空会社エアアジア・グループ(本社・マレーシア)は、早ければ09年3月にも日本便を就航させる方針を固めた。静岡、中部、福岡、新千歳空港などを候補に、就航先の選定に入っている。実現すれば、海外の旅客を運ぶ本格的な格安航空の初就航になる。

 グループ会社で長距離国際線を担う「エアアジアX」の路線担当者、センティル・バラン氏(32)が静岡空港の視察に訪れ、取材に応じた。バラン氏は「来年2月に購入するエアバス社のA330型機で日本に乗り入れたい」と話し、国内各空港の担当者を8月までにクアラルンプールに招いて条件を聞き、最終決断する考えを示した。運賃は着陸料などの条件次第だが、「平均して大手の半額程度」という。就航先候補には2010年に開港する茨城や、同年に国際化される羽田空港なども含まれる、とした。

 日本に来たことがないアジアの旅客を格安運賃でつかみ、大手と競合しない新たな需要を掘り起こす狙い。就航先は「アジアからみて魅力的な観光資源を、どれだけ安く提供できるかで判断したい」と述べた。燃料高など逆風もあるが、「日本就航の機は熟している」と強調する。

 同グループはクアラルンプールを拠点にインドネシアやタイなどへ約100路線、年間1500万人を運ぶアジア最大の独立系格安航空。原油高騰で倒産する同業者も出るなか、大手の半額以下の運賃で旅客数を伸ばしている。

 エアアジアXは、日欧などへの長距離線向けに07年11月に設立。今は1機のA330でクアラルンプールと豪州・ゴールドコースト、中国・杭州の2都市を結ぶ。383席のエコノミークラスのみで機内食などは別料金。今後、同型機25機を購入。韓国やインドへの就航も予定している。

 日本に定期就航している格安航空はまだ豪カンタス航空子会社のジェットスターだけで、旅客は日本人主体だ。(編集委員・三嶋伸一)

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