2008年7月31日木曜日

五輪開会式の夜、JALは「寄り道」 北京空港閉鎖で

五輪開会式の夜、JALは「寄り道」 北京空港閉鎖で2008年7月31日3時0分

 北京五輪の開会式が行われる8月8日の夜、5時間(午後7時~深夜0時)にわたって北京空港が閉鎖されることになった。テロ対策の一環。国内、国際線合わせて300以上の離着陸便が影響を受けるとみられ、この時間帯に到着予定だった日本発の便は、時間をつぶすために別の空港へ「寄り道」するケースも。中国はテロ警戒を強めており、旅行者は一層不便を強いられそうだ。

 「中国政府の通告により、スケジュールを変更します」。日本航空(JAL)のホームページにこのほど、8月8日の成田発北京行きの夜の便の変更を知らせる案内文が載った。

 当初は午後6時10分に出発し、午後9時5分に現地に着くはずだった。だが北京空港の閉鎖が決まり、出発時間を急きょ1時間遅らせたうえ、運用に余裕のある関西空港へ。ここで約2時間をつぶし、北京へは予定より4時間遅い9日の午前1時5分に到着することになった。乗客は関空でいったん降り、乗り継ぎ用の保安検査場でセキュリティー検査を受けて、出発フロアで待つという。

 「国を挙げて警戒中なのでやむを得ない」と同社。すでに予約をしていた客100人以上に電話をかけるなどして、理解を求めている。

 全日空(ANA)も、成田を午後5時20分に出る便と午後7時に出る便が、北京の閉鎖時間帯にひっかかる。現在、到着時刻を数時間遅らせる方向で調整中だ。

 このほか、シンガポール航空はシンガポール離陸を1時間10分遅らせ、閉鎖解除15分後の9日午前0時15分に北京に到着させる。大韓航空、マカオ航空、ドラゴン航空(香港)は閉鎖時間帯に北京に到着する予定だった便をキャンセルした。中国国際航空やノースウエスト航空は対応を検討中という。

 中国では20日から、北京を含む主要空港でセキュリティー検査を強化。見送り客もターミナルの入り口でチェックを受けるほどの警戒ぶりだ。

 ギョーザ事件や四川大地震などの影響もあり、今夏の中国へのツアーは低調。旅行関係者は「厳しい警備態勢で、ますます敬遠されなければいいが」と気をもんでいる。(佐々木学、北京=阿久津篤史)

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